企業様を対象に、ネットワークの基礎スキル向上の研修(セミナー)を行います。
 その一つが 「Network Challenge」 です。「Network Challenge」では、ネットワークの基礎知識を深堀りするために、実機を使って設定をしたり、コマンドを打ったり、キャプチャをしながら課題にチャレンジしてもらいます。ゲーム性を持たせつつ、高スコアを目指して実機に触れながらがんばることで、ネットワークの知識・技術のスキルアップを図ります。

1.ネットワークの本物の力が身に着く「Network Challenge」とは

ネットワークの基礎知識を深堀りするために、実機を使って設定をしたり、コマンドを打ったり、キャプチャをしながら課題にチャレンジしてもらいます。
課題をクリアしていくというゲーム性を持たせ、多くの課題をクリアすることを目指して実機操作をしてもらいます。そうすることで、ネットワークの知識・技術のスキルアップを図ります。
実際に操作してもらうのは、PC(およびパケットキャプチャソフトWireshark)、スイッチングハブ(Catalyst)、ルータ(Ciscoルータ)、次世代ファイアウォール/UTM(FortiGate)です。※場合によってはWebサーバなども対応可能です。
セミナーの講師は、ネットワークスペシャリスト試験対策で高い評価を得ている「ネスペ」シリーズ(技術評論社)の著者である、左門が行います。

2.なぜ本物の力が身につくのか。それは自分で設計し、トラブル対応までを実施をするから

(1)マニュアル通りにやる研修ではありません
この研修では、課題をたくさん出します。たとえば、ルーティングの課題であれば、60個くらいに細分化しているので、参加者が「何をすればいいんだろう?」などと迷うことなく、次々と課題を進めてもらいます。しかし、が、一言一句細かな指示までは出しません。

(2)設計も自ら実施
既に述べましたように、細かいだ課題出します。ただ、ネットワークの設計に関するところは、部分的に自分で考えてもらうようにしています。たとえば、IPアドレスやサブネットマスクも自分で決めてもらいます。構成も、指針は出しますが、部分的に自分で考えてもらいます。完璧なマニュアルがあって、指示された通りにやるのと、自分で考えるのは、構築の難易度が全く違います。自分で考えるからこそ、実践的な力が付くのです。

(3)トラブルシューティングが学べる
この研修には明確なマニュアルはありません。解説として、詳細な手順が配られるわけでもありません。自分で考えながら実施します。すると、まず間違いなく、うまくいかないことにぶち当たります。とはいえ、ネットワークのトラブルなんて、身近なことばかりです。ちょっとした設定ミス、IPアドレスの入力間違い。また、ルーティングでいえば、同じセグメントが2つあった、などなど。ただ、そんなトラブルを、自分で考え、ペアと考え、切り分けをしたり、コマンドを打ったり、パケットキャプチャをしながら原因を究明するのです。もちろん講師の私からもヒントは言いますが、自分で考えてもらいます。トラブル対応力が付くことが、実践的な力になります。

トラブルシューティングは、トラブル対応力を向上させるためならず、ネットワークを理解するためのものです。
「インターネットがつながらない」というトラブルが発生したとき、そのとき、あなたはいくつの引き出しがあるか?このことが、ネットワークをどれだけわかっているか、なのです。

(3)現場のトラブルは、シミュレータでは経験できないものばかり
最近だと、ネットワークのシミュレータソフトが少し普及し、便利になりました。ただ、便利な反面、現場力が付くかは少し疑問です。というのも、現場でのトラブルは、シミュレータでは経験できないものばかりだからです。
 たとえば、ネットワークのトラブルなんて、ケーブルが緩んだり壊れていた、クロスケーブルとストレートを間違えた、ポートを挿し間違えた。PCのファイアウォール設定でpingが拒否された。PCの有線LANで接続していたつもりが、Wifi経由で通信していた。なんてことです。他にも切が無いくらいトラブル事象はあります。これらは、実機を用いてやるからこそ経験できることですし、実践で必要な力も、このような、シミュレータには現れないトラブル対応なのです

3.研修の特徴

(1)研修の特徴
「Network Challenge」研修の特徴は以下です。
①実機を使う
 実践的な力がつきます。
②原則、2名ペアでの競技
 一人でチャレンジするよりも、ペアで連携することで、多くの課題をクリアできます。技術力だけでなく、コミュニケーション力も向上します。
(2)参加者のレベル差を埋める仕組み
 原則、ペアで進めてもらいますから、ネットワークの知識が弱い方が参加していても(つまり、参加者のレベル差があっても)、どのレベルの方もレベルアップが期待できます。経験豊富な方は、経験の少ない方にアドバイスをすることで、自分自身が新しい気づきがあります。
また、問題はたくさん用紙していますので、経験が少ない方は、基本部分を中心に実施し、経験豊富な方はたくさんの問題(難問含む)に挑戦してください。

4.コース概要

コース名 Network Challenge ~実機を使ったネットワークの構築および学習のチャレンジ
コースコード SSNC01
研修目的 ・TCP/IPやネットワークの基礎知識を、実機操作を通じて深堀りします。
・Ciscoルータ(またはスイッチングハブ)の実機を操作することで、VLANやリンクアグリゲーション、ルーティングなどの実際の設定を学習します。
・(コース内容によりますが)次世代Firewallの操作では、Firewallの基本やUTM、VPNの設定などを学びます。
・次世代Firewallの学習を通じて、企業のセキュリティ対策の実践を学びます。
・ネットワーク設計を実際に行ったり、チームで相談して進めます。プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力の向上にも寄与します。
研修方法 ハンズオン形式の実機操作
日数 1日コースまたは2日コース ※1日間のコース場合は基本はルータおよびスイッチ。2日間コースの場合は次世代Firewall
研修時間 9時半~17時(9時~18時の間で調整可能)
参加人数 5名様以上18名様まで(要相談)
講師 左門 至峰
対象者 ①ネットワークおよびTCP/IPの基礎を理解できるレベルの方
②ネットワーク機器の実機操作、TeraTermの操作の基本をご存知の方
※②に関しては、基本操作は冒頭にて1時間ほど解説します。よって、最低限の経験があれば対応可能だと思います。
ご準備いただくもの ・セミナー会場、プロジェクタ、マイク、インターネット環境、PC(LANポート、Teratermインストール必要)、LANケーブル、配布物の印刷(こちらからデータでお渡しします)など。

5.研修費用

1日あたり、基本料金20万円(ネットワーク機器の機材準備費含む)+人数×4万円+交通費および宿泊費(税別)
例えば、東京のお客様の会議室で、10名様で1日間の場合
20万円+40万円 + 交通費3万 =約63万円(税別)

※交通費は大阪からの実費です。(日程を調整いただければ、ゼロも可能です)
※会場のご準備をお願いします。

6.研修の流れ

1日コースで研修を実施します。大きな流れは以下です。
(1)ネットワークの基礎講義 【1時間】
(2)パケットキャプチャの講義、CiscoやFortigateの基礎的な操作説明 【1時間】
 ※最初はパケットキャプチャを説明し、いろいろなパケットを見てもらいます。
(3)競技説明【15分】
(4)チャレンジスタート 【3時間半】
ネットワークの基礎知識の深堀りが目的です。奇をてらった難問はありません。
基本問題20問×5テーマで、1つ5点。合計500点です。応用問題も別途あり、早く終わったチームは応用問題を出します。
チームで協力してやってもらいます。※チームで連携することが、好スコアの鍵です。
テーマは以下の5つですが、各チームで好きなテーマを選んでもらって構いません。
①ネットワークの基礎 
②スイッチ演習 
 ・VLANの設定(ポートVLAN、タグVLAN)
 ・上記の2つのパケットの違いの確認
 ・ミラーポートの設定
 ・DHCPサーバの設定、DHCPのパケットの確認
 ・MACアドレステーブルの確認
 ・STPの設定、状態確認
 ・STPの切り替わり時間の測定
 ・リンクアグリゲーションの設定、状態確認
 ・リンクアグリゲーションの切り替わり時間の測定
  など
③ルータ演習
 ・IFの設定
 ・NATの設定、NATテーブルの確認
 ・スタティックルート
 ・RIPの設定
 ・RIPの切り替わり時間の測定
 ・OSPFの設定、DR/BDRの確認
 ・OSPFの切り替わり時間の測定
 ・COSTの設定
 ・VRRPの設定
 ・MTUの確認
  など 
④ファイアウォール演習
 ※2日コースの場合  内容はこちらを参考にしてください。  https://seeeko.com/fortigate/
⑤サーバ演習 ※オプション
・Webサーバの構築 ・・・クラウド(AWS)の利用を想定
・簡単なコンテンツを作成
・HTTPリクエストとレスポンスの確認
・ログの確認
・DNSによる名前解決の実習
 など  
⑥IP電話演習   ※オプション
・SIPサーバの構築
・SIP-UAの設定
・REGIST
・実際の通話
・INVITE、200 OKなどのパケットを確認
など
⑦その他共通
SNMPやSYSLOGなど

(4)補足解説 【30分】
 簡単な解説を行います。

7.出題例

ネットワークの世界で長年生きてきた私が、実務で役立つネットワークの基礎を中心に出題しています。ネットワークスペシャリスト試験合格にも役立つ内容を選んでいます。

[出題例]※問題は大量にあります
①「ネットワークの基礎」
・自分のNICのDupulexとSpeedが何に設定されているかを確認してください。
また、選択できるDupulexには何があるか、Speedには何があるか、答えてください。
・自分のIPアドレスを192.168.x.x/24に設定してください。
・・・
・自分のPCのMACアドレスを確認して記載してください。また、メーカ名は? MACアドレスは何ビット? また、何バイト?
・・・
・再度Pingを打って、パケットを確認しましょう。
・イーサネットフレームの生データを見てください。16進数表記の最初の48ビットにはなんと書かれていますか?
・それは何を表していますか?
・TYPEには何が書かれていますか?
・0xはどういう意味ですか?
・プロトコル番号は何番と書かれていますか?
・宛先IPアドレスは16進数表記で何と書かれていますか?
・ICMPパケットに関して、PCからサーバへの通信と、その応答における、TYPEとCODEをそれぞれ記載してください。
・PCのARPテーブルを削除してください。
・ping8.8.8.8を打ちましょう。Arpが流れたと思いますが、ARPパケットでは、何のIPのMACアドレスを解決していますか?
・ARPテーブルに記載があるエントリを3つ以上記載し、それぞれ何かを説明してください。
・・・

②LAN
・VLANの設定をしてください。
・他のセグメントへの通信ができないことを確認してください。
・・・
・タグVLANの設定をしてください。
・タグVLANのフレームをキャプチャしてください。
・VLANは何ビットですか? また、VLAN番号はいくつまで設定できますか?
・・・
・STPの設定を確認してください。どこがブロックされていますか?
・・・
・Pingを打ちっぱなしにしてください。1本のケーブルを切断してください。切り替わり時間は何秒でしたか?
・・・
・リンクアグリゲーションを設定してください。ランプはどうなりましたか?
・・・
・1本のケーブルを切断してください。切り替わり時間は何秒でしたか?
・・・

8.お問い合わせ

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